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2021/12/31 今年みた展覧会 | 2014/01-06 2014/07-12 2015/01-06 2015/07-12 2016/01-06 2016/07-12 2017/01-06 2017/07-12 2018/01-06 2018/07-12 2019/01-06 2019/07-12 2020/01-06 2020/07-12 |
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山本タカト展 山口晃展 2021年も残りわずか。 今年も悪しき疫病に振り回された美術界でしたが、 私、個人的には、 深く心に残る作品との出会いが多い年になりました。 今年、特に印象深かったのは、 山本澄江、山口晃、山本タカト。 共通していえるのは、(山・・・ではなく) 見た目は日本画の要素を多く含みつつも、 使っている絵の具は、日本画絵の具ではなく、 油彩やアクリルであること。 作品を見て、これは日本画だと 思い込んだ人も多いと思います。 日本画という名称に対し、疑問視する意見は、 以前からあり、 水彩画、油彩画、に対してなら、 膠彩画(こうさいが)にするべきだろうという人も います。 たしかに、私自身も、 日本画という言葉には、違和感を覚えることがあります。 公募展での部門名、 美術系学校の学科名などには、 使い続けられるのでしょうけど、 個人の制作において、 「日本画」という言葉は、わかりにくすぎて、 だんだん死語になっていくかもしれません。 |
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2021/12/25 極薄絵絹 | ||
一丁樋という極薄の絵絹を譲っていただきました。 復元研究のために、特別に織られた絵絹で、 市販されていません。 よく使われる市販の二丁樋の絵絹(右側)と並べると どれくらい薄いかがはっきりとわかります。 以前、PIGMENTで購入した綺麗な箔押し紙、 これと組み合わせたら、 おもしろいマチエールが作れるのではないかな?? と思って、1枚パネルに貼ってみました。 一丁樋は、織り目が粗いので、 穴をふさぐために、寒天を引く・・・とのこと。 絹本で描く場合、寒天引きはよく使う技法のようですが、 なかなか思うようにいきません。 ・・・という感じで、 また実験の日々。 |
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2021/12/11 クサギの実 | ||
クサギの実 P3 日本画 小品のタイトルは、 モチーフの植物名をそのままつけることが多いのですが、 クサギの実は、知らない人が多いので、 「・・の実」までつけておきました。 クサギがこんなにも美しいのに、 知名度も低く、 切り花にもされないのは、 名前の通り、枝を切ったときの樹液の匂いが、 独特だからです。 しかし、あまりにもストレートな名前。 もうちょっとなんとかならなかったのでしょうか。 植物名は、必ず別名などがあるものですが、 調べてみても クサギ以外の呼び方がみつかりません。 クサギの実 日本画 部分 クサギの実 日本画 部分 クサギの実 日本画 部分 |
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2021/12/5 アトリエ呂歩さんの額 | ||
アトリエ呂歩さん。 ネットショップの額縁やさんです。 木製のもの、陶器のもの、 箔をあしらったもの、と、いろいろありますが、 1点1点すべて手作りで、 木製のものは、無垢材を削り出して成形されています。 その丁寧な仕事とリーズナブルな価格で、 とても人気が高く、 注文してもすぐには入手できない状態です。 今回のは、紬の生地が貼られたボックス額。 材料は、栃(とち)の木です。 知人が購入したものを 譲ってもらうことができました。 紬の色合いがとても素敵です。 いつもは、 たいてい完成した絵に合わせて 額を注文するのですが、 今回は、額が先行です。 今、下塗りが終わったところですが、 ときどきこうやって当ててみて、 額に合った色合いで描き進めています。 |
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2021/11/22 蛍袋と風蝶草 | ||
蛍袋と風蝶草 日本画 M4 先日のヒスイカズラは、 すんなりと仕上がったわけではなく、 途中で何度か行き詰まり、その都度、 完成をあきらめ、 ヒスイカズラの制作途中で、この絵を描き始めました。 金属箔も使わず、マチエールも作らず、 雲肌麻紙に天然岩絵の具で、 自分の中での原点の技法で描きました。 描きつつ、目の前のヒスイカズラの画面をみていると、 数日経つと、先に進む糸口がおぼろげにみえてきて、 また少し筆をいれつつ、 また行き詰まったら、 この絵に戻り・・という感じで、 描いていました。 蛍袋と風蝶草 日本画 部分 蛍袋と風蝶草 日本画 部分 蛍袋と風蝶草 日本画 部分 |
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2021/11/14 ヒスイカズラ(紙本) | ||
ヒスイカズラ 日本画 紙本 WF3 とりあえず完成 なかなか完成にいたらなかったのは、 もっと別の技法の方が、 表現したいことに合っているのではないかと 迷ってばかりいたから。 今もきっと他にあるはずと思っているけど、 次にこれを描くときは、 もう一度写生からやろうと思っています。 ヒスイカズラ 日本画 部分 ヒスイカズラ 日本画 部分 粒子が反射しないように撮影したので、 のっぺりしていますが、 やはりサンドペーパー状です。 |
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2021/11/08 三千本膠 | ||
9割方着彩したところ。 この先、どこまで描き込むかが難しいところ・・・ それにしても、 今回の絵は、表面のマチエールのせいで、 撮影がずいぶん難しいです。 というのは、この色は天然絵の具だけでは出せないので、 ガラス成分の多い合成絵の具を多用したため、 表面がいつも以上にキラキラ光るし、 絵のサイズが大きいので、 粒子の粗い絵の具で描いています。 近くでみたら、こんな感じ。 ↓ さらに近づくとこんな感じ ↓ サンドペーパー状です。 粒子が粗い絵の具を定着させるには、 効きの強い膠を使わなければいけないので、 三千本膠に、20%くらいの鹿膠を混ぜていたのですが、 このところの晴天続きの気候のせいか、 この配合だとちょっと効き過ぎてしまうので、 三千本だけにしてみました。 三千本だけで絵を描くのは久しぶりでしたが、 やはりいい! 発色がだんぜん違うし、上から重ねたときの絵の具のなじみも 良いです。 もうずっと三千本だけで描きたいくらい。 この土地は、とっても湿度が高いので、 やむを得ず鹿膠を混ぜていますが、 マンション暮らしの人や、乾燥地域にお住まいの方は、 三千本だけがいいのではないでしょうか。 最近、 三千本だけで描いている人という人は、 あまりいないみたいですが、 以前よりも質も良くなっているんじゃないかと思います。 |
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2021/10/30 美術の楽しさ | ||
久しぶりの中学校ネタ。 今年度から勤務しはじめた学校は、不登校特例校で、 学校にいけなくなってしまった子のための学校です。 不登校の子のイメージとして、 五教科は苦手でも音楽や美術は好き。 そんな印象がありますが、実際は逆で、 数学や国語は得意だけど、 美術は苦手という子が、けっこう多いのです。 特に中学一年生にとって、美術という授業は、 人生初めての教科になるわけで、 かなり警戒心を持っているようです。 なんとかして、好きに・・とまではいかなくても ちょっとおもしろかったな、とか、 まぁ、やってもいいかな、くらいに 思ってくれるといいな~ と、思いつつ、毎回課題を考えています。 というわけで、今回、やってみたのが 「回転版画」 丸くくりぬいたスチレンボードにヘラを押しつけて 凹ませて絵を描いて、版を作ります。 赤色のインクで、刷ります。 版を水で洗って、 120度くらい回転させて、黄色のインクを重ねて刷ります 同じように、版を洗った後、 また少し回転させて、最後に青色のインクを重ねて刷ります。 1版目は、赤と白の2色 2版目は、赤と白と黄色とオレンジの4色、 3版目は、それぞれに青が重なるので、 一気に9色になるわけで、 意外な美しさに驚きを感じることができます。 作品づくりにおいて、楽しさを感じるときって、 画面に思いがけない美しさが現れたとき、 ではないかなと思うのです。 ということで、生徒たちの作品です。 ↓ 、みんなとっても美しく幻想的にできました。 刷りもとっても上手できて感心してしまいました。 私の方が夢中になってしまいました。 |
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2021/10/19 秋の宝石たち | ||
クサギの実の写生(透明水彩) 秋の野山に熟す実は、 宝石のように美しいものが多いのですが、 トップクラスは、なんといってもクサギだと思います。 紅色の星形のガクの中心に、できる実は、 青、緑、紫と色とりどりで、 まるで、ルビーの台座に、 サファイア、エメラルド、アメジストの珠を あしらったかのようです。 春に咲く繊細な花は、雪のように真っ白で、 これも美しいのですが、 名前が、クサギ=「臭木」とは、いかにも気の毒です。 ノブドウの写生 (透明水彩) 秋の宝石の2番目はノブドウでしょうか。 こちらも大変美しくて、 山で出会うとうれしくなります。 |
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2021/10/8 悪い癖を断ちきる | ||
このページのトップでおわかりかと思いますが、 ここ半年、新作が描けていません。 何作も手がけているのに、 どれも未完のまま。 以前、先生に、 途中でやめてしまうのは、クセになるから、 汚くなっても思うようにいかなくても とにかく仕上げなくてはいけません。 といわれたのを思い出します。 そう とにかく仕上げなくては、得られるものも ほとんどないし 前にも進めません。 初心に戻って、雲肌麻紙に もう一度だけヒスイカヅラを描いてみようと思います。 今回は、軸装にはしないので、 構図も再度見直しました。 もうぜったいに途中でやめない。 ・・と、心に誓って、 骨描き完了。 |
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2021/10/4 西嶋豊彦さんの個展と博物館のような画材店 | ||
かねてから直接みたかった西嶋豊彦さんの個展を見に、 東京にいってきました。 西崎豊彦さんの作品は、 ネットで簡単に検索することができるのですが、 実際にみてみると、 想像以上の美しさに圧倒されました。 ここまで研ぎ澄まされた日本画をみたのは 初めてかもしれません。 蒸留して凝縮された1滴のごとく、澄み切っています。 そして、とても繊細で優しくて慈しみを感じます。 お話をしたところ、 西嶋さんは、ディスレクシア(読み書き障害)をお持ちで、 作品の売り上げは、同じ障害を持つ子ども達の支援のための 募金にあてていらっしゃるのだとか。 西嶋さんご自身も、この障害のために、 ずいぶん苦しい思いをされてきたことでしょう。 絵とは描く人そのものであり、 人生は、弓をひくとき矢を射るときの 繰り返しだと思うのですが、 西嶋さんの弓は、なんと強くて大きいことか。 そんなことを感じさせる作品でした。 東京にお住まいの方は是非是非。 西嶋さんの手仕事に、 誰もがきっと驚かれることと思います。 「西嶋豊彦展」10月17日まで 江夏画廊 (麻布台3-1-5 日ノ樹ビル302) せっかく東京まできたのだから、 以前から一度行きたかった天王洲アイルの「PIGMENT」へ。 壁面いっぱいに並んだ絵の具の瓶たち。 すべて量り売りしてもらえます。 膠の展示のコーナー 古いものは、標本箱にいれられて壁面に。 この画像の膠は、上から昭和初期、昭和中期、昭和後期 だそうです。 こんなにも違うのですね。 粗い粒子の岩絵の具が主流になっていくに したがって、膠も太くなっていったのでしょう。 お店の隅にこんなものが。 手作りの箔押し紙の切れ端を、いろいろ袋詰めにしたものです。 家に帰って開けてみたら、 でてくるでてくるこんなにもたくさんの箔押紙。 しかも、一つ一つがすごく凝っています。 どうやって押したのかわからないものばかり。 まるで、箔押しカタログのようです。 クラフト好きな方への贈り物にもピッタリかも。 でも、みているだけでも楽しい! これもオススメです。 |
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2021/9/22 絹本のマチエール実験 | ||
油彩用のキャンバス枠をいただいたので、 絵絹の端切れを貼って、 先日行き詰まった 裏箔によるマチエール作りの実験をすることにしました。 (制作中の長丈の軸は、ちょっと中断) 今回は、天然素材の金属箔を使うことにして、 純金箔、銀箔、箔押しなしの3種類です。 モチーフは、先日写生した紫香蘭です。 金箔も銀箔も、 親和箔のように、変なシワや接着しない部分もできることなく、 剥がし模様も、 だいたい思い通りに作ることができました。 やはり、絹本には天然素材の金属箔のほうが、 トラブルが少ないのかもしれません。 箔の厚みや、表面の樹脂コーティングが 使いにくさの原因なのでしょう。 しかし、絹特有の、 絵の具の発色やしっとりした落ち着きにおいては 箔なしが1番よかったです。 |
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2021/9/11 色彩表現 | ||
全体のバランスを見ながら少しずつ着彩しています。 絹本は、一度濃く塗ってしまうと、 その上から消したり薄くしたりはできないので、 慎重に進めていきます。 紙であれ、絹であれ、 真っ白な画面に向き合い、 最初に色を置くのは、勇気が要ることと思います。 これは、何年絵を描いていても、 毎回そう思えるので、 画材に慣れていない人ならなおさらでしょう ・・・・と思っていたのですが。 ところで、私は今、2校の中学校の 美術の授業を受け持っているのですが、 ここ最近の傾向として、 まったくためらいも迷いもなく、 勢いよく着色していく姿がみられるようになってきているのです。 あるとき、画面を赤一色で着色していたので、 なぜそうしたのか聞いてみたら、 「推し」(応援しているアイドル)の イメージカラーが赤だから赤をたくさんつかいたかった、 とのこと。 他の子にも聞いてみたら、八割くらいから 同じ答えが返ってきました。 「推しの色だから」 作品作りにおいて、 表現は自由なのだから、 好きな色を選んでいいのだけれど、 ん・・・?それって、自由な表現と言えるのだろうか? そして、こんなにも多くの子が、 特定の色を好きな理由が同じって・・ なんだかモヤモヤしますが、 しばらく見守ろうと思います。 |
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2021/8/31 図書館の本の表紙カバー | ||
兼業作家の私は、 アトリエ以外にもあちこちに 仕事場を持っているのですが、 その中の一つが、学校図書館。 夏休み中にも何日か仕事をしにいっていました。 夏休み最後の日、 予定していた作業が思ったよりも早く終わってしまったので、 大量に溜まった表紙カバーのリサイクルをしました。 お気づきの方もあると思いますが、 図書館の本というのは、 書架にならべられるとき、 表紙カバーがはずされた状態になっているものが多いです。 (理由はわかりません) 図書館の本を扱い慣れている本屋さんは、 表紙カバーをはずして、本の背に分類コードのシールを貼ってから、 納品してくれるのですが、 このとき希望すれば、はずした表紙のカバーも 一緒にもってきてくれます。 本の表紙カバーは、上等な紙が使われていて、 特殊印刷なども施されているので、 捨ててしまうのはすごくもったいないです。 以前、ペーパーバッグを作って 生徒や先生たちに配布したこともありました。 今回は、小さな短冊形に切って、ラミネートして、 栞を大量につくりました。 出来映えが良くて気に入っている栞は、 「5分後シリーズ」のもの。 中学生に大人気の超短編のシリーズ本です。 昔は、こういうジャンルをショートショートといいましたっけ・・・ 今でもいうのかな? でも、表紙カバーがあまりにもきれいで、 どうしてもカッターの刃をいれられないものもあります。 それは・・・・・・・ 特に、名作「でんでんむしのかなしみ」のカバーの美しさといったら・・ 画像ではわかりませんが、全体がつや消しの印刷で、 文字とでんでんむしだけが、つやありになっています。 この印刷は大変手間がかかったことと思います。 作者と出版社のこだわりを感じます。 これは、このままいただいて家に持って帰ってきました。 |
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2021/8/29 紫香蘭(ジゴペタラム) | ||
下から見上げられているような視線を感じて、 なに??と思ったら、 蘭の花がひっそり咲いてこちらを見ていたのでした。 これはいただきものの鉢なのですが、 花が咲いていたのはたしか冬だったような・・・ 不思議な色会いの蘭の花。 名前は、紫香蘭。 名前の通り甘い香りがします。 急いでスケッチ。 |
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2021/8/21 軸作品の準備 | ||
週間天気予報を見ながら、作業しています。 来週は、ようやくこの長雨も終わりそうなので、 晴れたらすぐにドーサが引けるよう、 絹枠に絹を貼って、湯引きまでしておきます。 あと1点だけ、長モノの掛け軸作品を描こうと思っています。 掛け軸の感覚がなかなかつかめません。 というのは、私は今まで、 余白の勉強をしてこなかったから。 余白こそ掛け軸の命なのだと思うのですが、 余白があるとついなにか描きたくなってしまう。 原寸大の着色下図を作っているところです。 花の数を変えたり、隣り合う色調を微妙に変えたり、 何枚もつくります。 めんどくさくて、忍耐力のいる作業ですが、 これをやっておかないと、途中で道に迷うことになるので、 なるべくきちんとやっておきます。 |
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2021/8/06 ヒスイカズラ(絹本) | ||
春から取り組んできたヒスイカズラの絹本作品。 前回よりも丈を長くし、細部の構図を変更して、 これにて着彩完了としました。 熱帯のむせかえるような雰囲気を出したかったのですが、 暑さのピークのときに描き、 願望が画面に表れたせいか、 最初の思惑とはずいぶん離れて、 涼しげな絵になってしまいました。 カナヘビがいなくなったのも、 なんだかちょっとさみしい感じ。 熱帯の植物は色がおもしろいので、 また描いてみたいのですが、 次は、真冬に描いたらいいのかも。 思いが盛り込めないところだらけで不満ですが、 これも勉強なので、 とりあえずこの後、軸装に仕立ててみようと思います。 もうすぐお盆。 小学校や中学校の同級生の中に、 鬼籍に入ってしまった人がぽつりぽつりと。。 生きている以上、死とは隣り合わせなのだから、 私も突然そうなるのかも。。 しかし、 これが遺作になってはすごくイヤなので、 早く次の絵を描こう。 そしてもっと良い絵にしよう。 というヘンなモチベーションの高め方。 |
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2021/7/24 京都へ(画材やさん) | ||
ものすごく久しぶりに京都の画材やさんへ。 購入したものは、大きな羽箒、ぼかし用の小さな刷毛、 細かくて鮮やかな色の岩絵の具。 大きな羽箒は、もう作る人がいなくなって、 世の中から消えたとのことでしたが、 このお店は独自に注文して仕入れているようです。 でも、残念ながら、使用したときの感触は、 やはり以前のものとは違いました。 羽の種類が違うのでしょう。 羽が堅いので、手加減が必要です。 やはり、あの昔の、 フワフワで大きな羽箒はなくなってしまったのか・・・ 「細かくて鮮やかな岩絵の具」 日本画の岩絵の具は、 同じ色でも、粒子の細かさで、色味が違います。 粗い粒子のものは、色が濃く、 細かい粒子のものは、色が薄く白っぽくなります。 画面に厚みを出したくないけど、鮮やかな色で塗りたい。 ・・・となると、岩絵の具では色がないので、 染料系の絵具や、水干絵具を使うしかないのですが、 そこをあえて岩絵の具にこだわりたい というときのための、 粒子は細かいけど(白相当)、 粒子の粗い絵の具(8番相当)と同じ濃さ。 という新しいタイプの岩絵の具。 なのだそうです。 新商品でアタリは滅多にないのですが、 試しに数色買ってみました。 1番上の棚に、気になる色の瓶が。 このお店では、特に高級な絵具は、 手の届かない1番上に置かれています。 (どれも値段表示なし) 値段の表示がないのは、 時価になるからなのでしょう。 天然材料なので、仕入れたときで色も値段も変わってしまう。 それにしても、吸い込まれそうなこのブルー。 見ればみるほど美しいです。 こんな絵具で描いてみたい。 1両目(15g)で、5000円。 やはりなかなかのお値段です。 (1両目は、大さじ1くらいです) どうしよう。。 ふとみると、 隣の棚にも、同じ名前の天然絵具があり、 もっと小さなガラス瓶に入っていて、 そしてもっときれいな色に見えます。 こちらは・・・? 1両目で7000円とのこと。 う~~~ん。さらにお高いのですね。 でも、やっぱり、並べて比べると美しさが違うのです。 でも、いくらなんでも1両目7000円とは、う~~ん。 ご店主が一言、 「こういうのを目の毒といいます。見なければよかったと・・」 「わかりました。では、目の毒を1両目」 (まさに、清水の舞台) 京の都の画材やさん。 幅も広く、奥も深くて刺激的で、楽しいです。 やはりたまには足を運ばないとです。 |
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2021/7/12 クレオメの写生 | ||
クレオメの写生(透明水彩) 里山の空き地に1本だけ、クレオメ。 子どもの頃は、あちこちの庭に植えられているのを よく見かけましたが、 このところ、まったく見かけなくなり、 懐かしく思い写生。 たまたま最近、 私の周りで植える人がいないだけなのでしょうか。 別名は、セイヨウフウチョウソウ。 明治時代に日本に入ってきたそうです。 夜になると、花穂の先のつぼみが開花しました。 開花したばかりの花は、あざやかなピンク色。 すでに咲いていた白に近い淡いピンク色との ツートンになりました。 翌朝になったら、すべての花が、 白に近い淡いピンク色に。 何時間くらいで変化するのでしょう。 来年はうちの庭にも植えてみなくては。 |
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2021/7/07 ヒスイカズラ《絹本) | ||
九割方彩色が終わったところ。 色をつけてみると、やはりまた気になるところがでてくる。 オオゴマダラのサイズのバランスや、 樹上のカナヘビは文字どおり蛇足、などなど。 でも、なにかもっと根本的なところで、 どうもしっくりきません。 どこなんだろうとあれこれ考えつつ、 ためしに、今回の原寸大小下図に紙を継ぎ足して、 床の間の掛け軸の上に貼ってみました。 あ、もしかしたら、 足りなかったのは、縦方向の余白なのかもしれません。 縦長サイズの絹枠を発注。 絹地は継ぎ足すことができないので、 もう一度だけ、描くことに。 う~ん。今度こそ、 これで終わって、次の題材に進めますように。 |
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2021/6/28 古川美術館 | ||
愛知県名古屋市「古川美術館」 私の好きな美術館の一つです。 『遊画な季(ゆうがなとき)』展。 出品作家は、上村松園、鏑木清方、伊東深水、 上村松篁、福田平八郎、 堀文子、森田りえ子と、 豪華な顔ぶれの、しかも、展覧会サイズではなく、 あえて小さめの家庭サイズの作品の数々という、 まさに優雅なひとときを味わえる展覧会でした。 その中で、ダントツに印象に残ったのは、 山本澄江さんの作品。 一度実物を見たいとかねがね思い続けていたのですが、 ようやく叶いました。 山本澄江さんは、 20歳代のときから、70歳後半にさしかかった今に至るまで、 追求するテーマや作風は変化しても、 一環して貫いていらっしゃるのが、 背景にあしらわれているペン画です。 あしらうという言い方は間違っているかもしれません。 山本澄江さんの中では、 背景のペン画「祈りの道」こそが、 主のモチーフなのかもしれません。 ・・・というか、50年以上も、 中断させることなく、画面にあらわし続けたということは、 山本澄江さんにとってのペン画は、 自分そのものなのでしょう。 50年途切れることなく描き続けた点描は、 長きにわたり追求しつづけたことにより、 昇華された独特の世界を形成していました。 「昇華された独特の世界」 これこそが、絵描きなら誰しもが 心の底から到達したいと願う境地だと思います。 古川美術館には、歩いて1分のところに別館があります。 強い傾斜の土地を上手く活かし、 素晴らしい庭園を伴った日本建築です。 すべての部屋にみられる計算されつくした陰の美しさ。 けっしておしつけがましくなく 洗練された日本の美。 共感し共鳴する感覚を ずっと忘れずにいたいものです。 |
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2021/6/20 再び線描 | ||
3度目の描き直しでしたが、 結局また行き詰まってしまいました。 こうではない!ということはわかるのですが、 どこでつまづいているのかが見えてこない・・ たぶん、線描構図までは 方向性は間違っていないと思うのですが 着彩に原因があるのか。 それともなにか精神的なものなのか。 しかたがないので、4度目の描き直し。 山のように溜まった小下図。 つくづく下手だと思うし、 カンもセンスもないと思う。 ときどき、 才能があっていいですね、などといわれるけど、 そんなのはとんでもないことで、 才能など、てんでみじんもないと思います。 ただ、筆を画面においている瞬間、 すごく気持ちがすごくやすらぐ。 これは長年ずっと変わらない。 そう感じるということだけが、 小さな唯一の才能なのかもしれません。 |
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2021/6/13 鏑木清方画集 | ||
久しぶりに画集を買いました。 「鏑木清方原寸美術館」 その名の通り、鏑木清方の作品の全体と、 その一部が原寸大で 掲載されています。 線の美しさにためいきがでます。 気負いはまったくなく、とても自然で、 まるで風や水や空気を写し取ったかのような線描。 思えば、美人画を心底美しいと感じたのは、 鏑木清方の作品に出会ったときでした。 中には、200%拡大の画像も。 ここまで寄ると、 絹目もはっきりと写っています。 そして、その絹糸よりも細い毛描きも・・・ 来年2022年には、東京と京都で、 「没後50年 鏑木清方展」が開催される予定とか。 その頃には、今よりは、 外出しやすくなっているといいですね。 |
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2021/6/02 骨描きと下塗り | ||
3回目の描き直し 骨描きと薄墨入れが終わったところです。 結局、裏箔はやめることにしました。 でも、裏箔でマチエールをつくろうと思っていたので、 構図も見直さなくてはならず、余白にするつもりだった背景に、 花を描き足しました。 裏彩色で下塗りをしました。 裏彩色技法は、効果的に生かすことが まだまだできないのですが、 裏から塗ると、骨描きの線が薄くならずに済むので、 ありがたいです。 ところで、ずっとずっと前、 20年近く前でしょうか、 坂内の渓流の植物を描いた絵の中に、 小さな蝶を描きました。 周りにたくさん飛んでいたので、 そんなに珍しい種類ではないはずです。 でも、この蝶の名前がどうしても調べられず、 わからないまま今にいたっていました。 でも、坂内に住む友人が、身近な植物や昆虫を Instagramで記事にしてくれているおかげで、 「キンモンガ」であることがついに判明! 蛾だったのか! いくら蝶の図鑑を探してもみつからなかったはずです。 あと、こちらも何度か絵にかいておきながら、 ずっと名前知らずのままだった植物。 これも、その友人のおかげで、 「ミズタビラコ(水田平子)」であることがわかりました。 キュウリグサ、タチカメバソウ、ルリソウ、ワスレナグサ、 どれもそっくりで、みわけがむずかしいのです。 しかし、花や虫の名前がわかると 親しみがぐっと高まるのはなぜでしょう? |
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2021/5/24 裏に親和箔(銀色)を押す | ||
ヒスイカズラの絵は、金色箔の色が気に入らなくて、 結局、銀箔で描き直すことに。 しかし、銀箔は変色が心配なので、 今回も、銀箔に変色防止の樹脂がコーティングされた 親和箔を使うことにしました。 親和箔の銀色のものです。 前回、端から押していったら、ロスが多かったので、 今回は、真ん中から押すことにしました。 しかし、画面の真ん中に押すというのは、 基準線がないので、難しいです。 そこで、絵の表から、画面の中央に木綿糸を張ってみました。 裏からみたところです。 いい感じで、糸が透けて見えます。 これに沿って箔押ししたら、ラクに上手くいくはずです。 そして、さらに絹枠の四隅に、押しピンを刺しました。 今まで、台の上に置いていましたが、 こうしたら、台の位置合わせの手間が省けて、 裏からの作業もラクになります。 我ながら連続で、ナイスな思いつき。 しかし、なんなんだろう・・・ 数枚使用した途中から、箔に割れがみられるようになりました。 こんな感じで、右上の部分が ほとんど割れています。 いちいち貼り合わせるのがかなり手間だし、 時間もかかります。 こんな箔に出会ったのは初めてです。 親和箔の銀色は割れやすいのでしょうか。 そしてさらなるやっかいごとが。。 箔押ししたすぐはいいのですが、 数分経つと、シワができてしまいます。 シワの部分には、空気がはいってしまっています。 シワを上から押しても、画面にくっついてくれません。 一面シワだらけに・・・ マチエールづくりとしてなら、 これもおもしろいのかもしれませんが、 今回は、フラットに押したいので、これではダメです。 表からみたところ。 やはり表にもかなり影響がでています。 絹が乾いたら伸びるとか、そういうものではなさそうだし、 たとえシワが伸びたとしても、空気が入ったところは、 接着しないままになるのだろうし、 なんとか描けたとしても、 コワイのは、表装のときです。 全部ごっそり剥がれてしまった、となることも 大いに考えられます。 う~ん・・・ 描き直したほうがいいんだろうな。 知識も経験も足りないので、 失敗して覚えていくしかありません。 前回押した純金色の親和箔には、 シワはできませんでした。 銀色の場合は、コーティングされている何かが 絵絹と相性が悪いのでしょうか? 箔包みの中での割れも気になるところです。 親和箔の場合、 色によって微妙に性質が違うのかもしれません。 |
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2021/5/22 ホタルブクロの写生 | ||
今年もホタルブクロの季節になりました。 雨が上がったわずかな隙に 一番咲きの花を取ってきて、急いで写生。 ホタルブクロの写生をするのは、2年ぶり。 よく見るとすごく複雑かつ すごく精度の高い造形であることがわかります。 ついつい細部にばかり目がいってしまうので、 雰囲気をとらえるのが難しい花です。 でも細部を描かなくては形になってくれません。 |
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2021/5/15 銀箔の変色 | ||
先日描いた「たはむれ」「冬椿」の2点の額装ができあがりました。 額装すると、いろんな点が 明瞭に見えてきます。 「たはむれ」は、もう少し背景色の彩度があってもよかったか、 とか、 「冬椿」の背景の銀箔の白さが気になるとか。 銀箔は、時間が経つと参加して黒変してくるので、 今までの作品には、あまり使ってきませんでしたが、 今回は、黒変にかなり期待!です。 数年、変化を観察していきたいと思います。 |
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2021/5/10 親和箔のロットによる違い | ||
画面の裏一面にに箔押しして、 下の方に剥がし模様をつけました。 今回使用した箔は、親和箔を27枚。 手持ちの分では、足りなさそうだったので、 同じ製造元からもう1包購入しました。 手持ちの箔を使いきって、足りない分を新しく購入したもので 補おうかとも思いましたが、 もしかしたら、ロットによる色の違いがあるかもしれません。 念のため、全て新しく購入した箔を使いました。 やはり色が違っていたので、 それは正解だったのですが、 それにしても、違いすぎました。 モニター上ではわかりにくいかもしれませんが、 右側が手持ちの箔で、 先日試し描きに使用した箔です。 左側が新しく購入して、今回の本画で使用した箔です。 左のほうが、かなり黄色く、 右のは白っぽいのです。 今、線描きが終わり、着色に入っているのですが、 その色の違いはますますあきらかで、 今回かなり黄色みが強いので、 着色に大きく影響してしまっています。 熱帯高温多湿な空気を表現するために 金色箔にしたのですが、 効果が出すぎてスッキリしないというか、 もっさりしているというか・・・ う~~ん、描きたいのはこうではないんだけどな。 白めの親和箔が手に入ればいいのですが、 それはおそらくムリでしょう。 どうしよう? 最初からやりなおそうか・・・ ・・・というのは、私のいつもの悪いクセなのだけど。 とにかく最後まで仕上げてみればいいのだろうけど、 思い通りになっていない絵を描き続けるのは、 すごく苦痛 とりあえずまた小さい枠で、 銀箔で試作してみようか・・・ |
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2021/4/30 ヒスイカズラ小下図と大下図 | ||
だいたいの大下図(原寸大の線描きの下図) は できたものの、着色してみると、 気になるところがあちこちでてきて、 その都度修正。 着色、修正、着色、修正のくりかえしで、 ようやくなんとか大下図が完成しました。 そして同時に小下図(着色した下図)も。 毎回の制作で、1番時間がかかる作業です。 わずかに小さくとか、ほんの少し青みを足すとか、 そういうのは、デジタル化してしまえば、 CGソフトで簡単にできそうだと思ったりしますが、 こうして一つ一つ筆で描いていくと、 その間にいろんなことを考えることもでき、 面倒だけど、やはり必要な作業だと感じます。 しかし一つひっかかるのは、 なんといっても、絹地の縦方向に5%縮むということです。 今、構図を考えるにあたって、2%と3%の違いで、 悩んだりしているというのに、 5%は、あまりにも乱暴な気がします。 ・・・となると、やはりデジタル化して、 縦方向に5%伸長し、それを大下図にすれば、 完璧なのではないか?? ・・・しかし、 ここまで大きな画面だと、 家庭用の機器では明らかにムリ。 デジタルなどなかった先人に思いを馳せて、 そのあたりは気にしないようにしよう・・ 《追記》 ヒスイカズラを取材した動画を見ていたら、 花の周りには、たくさんのハチや蝶々も来ていました。 よかった! |
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2021/4/21 ヒスイカズラ構想 | ||
ヒスイカズラをモチーフに、 軸装作品を制作しようと思い、 下図を作りました。 ヒスイカズラは、 沖縄では、温室でなくても育つのですね。 最近、一般家庭でも栽培する人が増えているそうです。 沖縄のイメージで、 沖縄県の蝶オオゴマダラ(以前伊丹昆虫館で写生したもの) と、樹上性のサキシマカナヘビ、 色が美しいアオタテハモドキなどを描き加えてみました。 ヒスイカズラは、コウモリが花粉を媒介するそうなので、 蝶が集まるということはないのかもしれません。 ハネを休めているという設定で・・・ でも、本当に蝶はこないのでしょうか? これは確かめてみなくてはいけません。 おおまかに着彩して、配色のバランスをみて、 線描きを修正していきます。 今回、背景は金箔にしたいので、 絵の一部を描いて、実験してみることにしました。 裏側から箔押しして、 養生テープで、剥がし模様をつけていきます。 撮影にモアレがでてしまい 見にくいですが、剥がし模様ができあがりました。 裏からみるとこんな感じです。 使用した金箔は、親和箔 (銀箔に金色の樹脂をコーティングしたもの)です。 思い通りの剥がし模様ができてうれしいです。 紙本では、この模様をつくるための下地づくりに ずいぶん手間がかかりました。 でも、絹地だと、絹の織りが下地の役目をしてくれるので、 簡単に模様をつくることができます。 今までの苦労はなんだったのか・・という感じ。 |
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2021/4/9 軸装・夏叢譜 | ||
夏叢譜(なつくさのうた)の軸装ができあがり、 表具師さんが届けてくれました。 依頼を受けてから約1年半。 制作に紆余曲折あり、 すっかりお待たせしてしまいました。 今年の夏に間に合ってよかったです。 我が家の床の間に掛けてみました。 洋室に掛けたときの雰囲気はこんな感じです。 掛け軸の前にローボードなどの家具を置けば、 床の間感覚になり、 洋室でも掛け軸を飾ることができそうです。 (クリックで大きくなります) あとは、落款をいれて、箱書きをして 吉日に納品です。 気長に待って下さって、本当にありがとうございました。 |
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2021/4/1 ヒスイカズラの写生 | ||
水生植物園みずの森 蓮や睡蓮などの水生植物に特化した植物園ですが、 温室の植物も充実しています。 1年間、ずっとずっと待っていた ヒスイカズラの開花。 ようやく季節を迎えたので、急いで写生にいってきました。 幻想的な色とはまさにこのこと。 形もおもしろいです。 豆科の植物とのことで、 そういえばフジの花の応用編というか、 変奏曲というか・・南国チックというか・・です。 現地では、絶滅が危惧されているそうです。 花房はかなり大きくて、 房全体を実物大に描こうと思ったら、 F6スケッチブックにギリギリです。 描いているそばから、ポトリポトリと落ちていき、 地面は、ターコイズブルーの絨毯のようになっていました。 |
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2021/3/29 冬椿(絹本) | ||
冬椿 (絹本) 日本画 F4 「冬椿」の裏打ちができあがりました。 モチーフはあまり変化がありませんでしたが、 背景は、せっかく剥がし模様が うまく入ったと思っていたのに、 裏打ちしたら、 剥がし模様があまりわからなくなり、 弱くしたかった七宝繋ぎ紋がはっきりしてしまいました。 これは、剥がし模様をいれたあと、 裏彩色をもう少し濃くしてもよかった、ということです。 これは次回の課題です。 あと、前作のときに気になった縮みについては、 原画の線描きと重ねてみるとこんな感じ。 1番上端を揃えているのに、 椿の1番下の葉っぱはずいぶんずれています。 どれくらい縮んだかというと、 370mmが353mmに。 やはり約5%短くなりました。 今回の絵絹は、二丁樋特上で、 前回の「たはむれ」よりも、薄い絹でしたが、 縮み具合は同じくらいでした。 心配していた箔への影響は、ありませんでしたが、 これは、全体的に剥がし模様をいれているから、 わからないだけかもしれません。 金屏風のように、全面フルに箔押しした画面だと、 もしかしたら、縮みシワなどができたのかもしれません。 これも、今後の課題です。 |
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2021/3/25 たはむれ(絹本) | ||
たはむれ(絹本) 日本画 P4 「たはむれ」の裏打ちができました。 撮影したときの時間が違うせいもありますが、 ちょっと落ち着いた色合いになった感じでしょうか。 でも、色合いよりも、 大きく変わったのはサイズです。 絹地は縦糸が縮むといわれていますので、 想定はしていましたが、 測ったみたら、約200mmに対して、 約10mm。 つまり、5%縮んだことになります。 これはなかなか大きいです。 横幅はほとんど変わらない、というよりも、 逆に1㎜伸びていました。 トレース版の上において、線描きの下図を重ねてみました。 (クリックで拡大されます) 今回の作品は、F4の額装にするつもりでいましたが、 P4になってしまった感覚です。 今、裏打ちを依頼中の「冬椿」の場合、 その縮みが裏箔にどう影響するのか、 楽しみです。 |
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2021/3/17 冬椿(絹本裏打ち前) | ||
「冬椿」 絹本 裏打ち前 彩色がほぼ完了しました。 裏箔の表面への影響は、 だいたい狙いどおりいったと思います。 このあと、裏打ちですが、 絹の縮みが、箔押しにどう影響するのかが、 興味深いところです。 |
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2021/3/10 裏箔をつかった制作(絹本) | ||
裏箔を施した作品の制作に入りました。 まずは、墨で骨描きして、薄墨で濃淡をつけました。 (すけすけでわかりにくいので、裏に白い紙をあてて撮影) 背景の七宝繋紋様は、 部分的に白黒反転させてみました。 結局、迷った末に、銀箔にしました。 隙間無く、裏一面にフラットに押します。 表から見たところです。 けっこうテカっています。 養生テープで剥がして模様をつけて、 テカリと七宝繋紋様の印象を弱くしました。 銀箔は、アルミ箔や親和箔よりも 繊細な剥がれ模様ができます。 金箔と親和箔の中間くらいでしょうか。 表から胡粉を塗って、 薄く着彩 剥がし模様をつけた部分に色づけするため、 裏から白群という青紫色の絵の具をを塗りました。 あれ? 表に水がしみ出してきてしまいました。 これは、おそらく水滲みなので、 乾いたら、たぶん消えるでしょう。 でも、滲みるということは、 裏のドーサが弱いのかもしれません。 念のため、裏から再度ドーサを引いておくことにしました。 |
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2021/3/3 裏箔によるマチエール | ||
二丁樋特上(薄めの絹地)に、 金色の箔をいろいろ押してみました。 私が持っている金色の箔は、 純金箔、洋箔、親和箔、です。 純金箔は、文字どおり、純金の金箔です。 洋箔は、真鍮に着色した箔、 親和箔は、銀箔(アルミ箔?)の表面に 金色のなにかをコーティングしたもの。 金属の種類が違うので、それぞれ特徴があります。 上段の左と左から2番目は、洋箔 中段の左と左から2番目は、純金箔 画面の中央より右側3枚は、どれも親和箔。 下段の左は純金箔、真ん中は洋箔です。 純金箔の良さは、なんといっても不変性と色の良さです。 でも、金箔は柔らかいし薄いので、 剥がし模様などでのマチエール作りには、不向きです。 たとえばこんな風に、 経年風化したような模様をつけようとおもったら、 1番きれいにできるのは、親和箔です。 金箔と洋箔では、まったくできません。 実際に絵具で描いてみました。 金色のテカリが、もっと抑えられるのかと思ったのですが、 思ったよりもけっこう前にでてきます。 考えてみたら、絹地の糸と糸の隙間からは、 箔が直接見えているのですから、 当然かもしれません。 銀箔も試してみました。 金の黄色がないので、スッキリした発色になりそうです。 銀箔もいいかもです。 思ったよりもピカピカするので、 絹地を厚めのものに変えたら、どうなのか。 試しに、前回の絵の試し描きでつかったものに、 裏から親和箔を押してみました。 (画面右半分は、上から薄く胡粉を塗ってみました) テカリはかなり抑えられましたが、 これでは表から着色していくと、 すぐに消えてしまいそうな気がします。 やはり、裏箔で描くなら、二丁樋特上がよさそうです。 |
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2021/2/27 絹本の裏箔 | ||
冬の巣ごもり中に、 絹本の裏箔について、確かめておこうと思います。 今回は、この絵をベースにして、 制作をすることにしました。 この絵は、今のままでは、サイズが小さすぎて、 箔の効果を確かめにくいので、 やや大きくしてみました。 それに伴い、構図も少しかえました。 背景の模様は、どうしようか、 迷うところです。 |
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2021/2/22 絹本たはむれ裏打ち前 | ||
前回のつづきです。 着彩がだいたい終わりました。 この後は、表具師さんに裏打ちしてもらい、 もし必要があるなら、微調整の加筆でしょうか。 今日は先週の大雪がウソのような温かさ。 春は、もうすぐそこまできているようですが、 冬ごもりの仕事として、 なんとかあと1点、描いておきたい。 次は、裏箔です。 |
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2021/2/18 絹本白抜き | ||
前回の続きです。 上から色を重ねたり、描き起こしたりをくりかえして、 八割くらい着色したところです。 ここまで使用した絵具は、 胡粉(ほたて貝の粉末)と水干絵具と 岩絵の具の白と14番です。 岩絵の具は、粒子の粗さによって、 5番から15番(白)までの、番手があり、 (製造元によって違いあり) 番号が小さいと粗く、番号が大きくなると細かくなります。 5番は、一粒一粒が眼ではっきり見えて、 砂浜の砂くらいです。 白や14番になると、パウダー状くらいの細かさです。 今回は、軸装ではなく額装にするつもりなので、 多少厚塗りになっても大丈夫なのでしょうけど、 絹の持ち味をいかすため、 できるだけ厚みがでないよう 塗っています。 画面の下のほうは、ほとんど色をおいていないので、 絹地のままです。 |
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2021/2/14 絹本白抜き | ||
だいたい要領がつかめたので、 本画制作に入ります。 絹枠に捨て糊して、 絹を張って、周囲をマスキングして、 湯引きして、ドーサ引きして、 骨描きして、表から花と蝶にマスキングしました。 (やること多い・・) それにしても、 周囲のマスキングテープの黄色が目障りです。 近々色のないものを買ってこなくては。。。 表から一度薄墨を引き、 その後、葉の部分にマスキングインクを塗り、 再度、表から薄墨を引きました。 ちょっとわかりにくいですが、上の方を濃く、 下の方を薄くしてみました。 絹のぼかしは、ぼかし専用の カラ刷毛という乾いた刷毛を使うのですが、 マスキングインクがとれてこないか不安でしたが、 大丈夫そうでした。 画面をしっかり乾かして、 マスキングインクを剥がしたところです。 裏から白群という薄いブルー系の絵具を塗りました。 でも表から絹地が墨で染まっているせいか、 ブルーの色の効果は、ほとんどありません。 二丁樋重めというやや厚みのある絹を使ったのも、 影響しているかもしれません。 表からも白群、その後、モチーフ全体に薄く着色してみました。 画面を立てるとこんな感じです。 |
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2021/2/8 巣ごもり制作2 | ||
絹本の表現技法の勉強として、 冬の間にやっておきたいこと2つ。 1つは、白抜き。 もう一つは、裏箔です。 とりあえずは、白抜きの方を やってみることにしました。 この絵は、以前描いたものですが、 この絵をベースにして絹本に制作しなおすことにしました。 今回試してみるのは、マスキングインク。 ボトルにはいっているときは液体ですが、 乾燥させるとゴムになる。 水彩画ではよく使うアイテムですが、 これを絹に使ったらどうなるのか、 まずは、水彩紙でやってみます。 白抜きしたいところに、 マスキングインク塗りました。 上から刷毛で墨をたっぷり塗ります。 よく乾燥させた後、 ラバークリーナーで、マスキングインクを剥がしていきます。 ゴムになっています。 全部剥がし終えました。 上から、水彩絵の具で着色。 しかし、白抜きは、上手くできているものの、 紙肌は、かなり荒れてしまっていました。 デリケートな絹の場合は、どうなのか・・・ 絹を貼り、ドーサ引き後、墨で骨描きをしました。 白抜きしたい部分に、マスキングインクを塗ります。 布なので、織り目に染みこんでいきましたが、 乾燥させると皮膜になり、綺麗に剥がれました。 心配していた絹地の傷みもありませんでした。 ただ、筆がかなりダメージをうけました。 上質な筆はもったいなくて使えませんね。 実験なので、いろいろやってみました。 表からマスキングインクを塗り、表から墨、 裏からマスキングインクを塗り、裏から墨、 マスキングインクは使わず、墨の上から胡粉。 などなどです。 わかりにくいですが、 上の方はマスキングインク、 中央と左下は、墨の上から胡粉です。 こうしてみると、墨の上から胡粉を塗ったもののほうが、 はっきりと白く浮き出ています。 しかし、裏に白い紙をあててみると・・・ (裏打ちした状態を想定してみると) マスキングインクで白抜きしたものは、くっきりと白く、 胡粉を塗ったところは、沈んでしまいました。 やはり、画面に厚みを出さずに、 白く描こうと思ったら、 白抜きは是非、取り入れたい技法です。 |
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2021/2/1 表具えらび | ||
先日仕上げた軸装用作品をもって、 表具屋さんにいってきました。 美しく織られて染められた表具の数々、 見ているだけで、楽しいのですが、 掛け軸の上下にくる布、真ん中の布、 作品の周りをぐるりと取り囲む布、 膨大な種類の中からそれぞれを選び出すのは、 なかなか大変です。 イメージを伝えて、 これでもないそれでもないと、 表具師さんと相談しつつ、絞り込んでいきます。 紗綾形紋(さやがたもん)に花唐草の柄のを、 真ん中に持ってくることにして、 上下には、菱紋をちらした白い布。 絵の周りには、 金糸を織り込んだブルーグレーの布を 細くいれてもらうことにしました。 ちょっとすました感じの真夏の綺麗めな装い。 最後は、軸先です。 青磁色の釉薬のかかった陶製のものを選んで、 涼しげ度アップ。 さてさて、どんな仕上がりになることやら・・・ |
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2021/1/29 巣ごもり制作 | ||
「野辺」 日本画 F6 紙本着色 大雪とコロナ禍の中、 写生にいくこともままならず。 以前描いた絵を構図をそのままに、 描き直したものなので、純粋な新作とはいえないかもですが、 以前のものより技法や手順はかなり変えてみました。 彼岸花の神経質なまでの鋭い造形性を描きたくて、 金属箔との組み合わせで、 何点も描いてきましたが、 描いても描いても描ききれない感じ。。 |
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2021/1/22 紙本製作 | ||
中断していた紙本作品の制作を再開しました。 雲肌麻紙という厚手の和紙に、 金箔を押し、部分的に剥がして模様をつくり、 箔のテカリをおさえるために、 その上に、骨描きした極薄の和紙を貼り、 その上から彩色というコテコテな方法。 絹本とは真逆の手数の多さですが、 手間はかかるものの、 多少失敗しても、修正ができるので、 気分的にラク。 厚手で丈夫な和紙をパネルに貼っているので、 砂のような荒い番手の絵具も、 思い切り使えます。 技法や経費、その後の保存などなど、 描き手の立場から考えると、 絹よりも紙のほうが、 都合がいいことが断然多く、 絹に描かれなくなっていったというのも、 うなずけるのですが、 それらをすべて考慮したとしても、 消せない魅力を持つ絹。 次作はもう一度絹本に。。 |
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2021/1/19 夏叢譜 | ||
「夏叢譜」(裏打ち前) 日本画 絹本 F10号相当 軸装用絹本作品、ようやくなんとかできあがりました。 ここにたどり着くまで、紆余曲折。 とても良い勉強になりました。 試作、本作で、二丁樋特上、二丁樋重めと、 2種類の絹に描いてみたわけですが、 描く前の絹地は、あきらかに二丁樋重めのほうが、 厚めに感じました。 しかし、 描きはじめてみると、違いがよくわからなくなりました。 絵絹の違いによることよりも、 地塗りや絵具の扱い方による影響のほうが かなり大きいように思われました。 二丁樋重めを使用した本作は、 二丁樋口特上を使用した試作よりも、 わずかに、胡粉下地が薄くなってしまったのですが、 それだけのことで、二丁樋重めのほうが、 薄く感じるようになったのです。 一度厚くなった胡粉下地を 薄くするのは、かなり難しいので、 自分の思い通りに描こうとするなら、 やはり、絹本は、かなりの経験と熟練によるカンが、 必要とされると感じました。 描きはじめる前に、あんなにもこだわった絹選びでしたが、 実際にはそこまでというのこだわる必要はなかったかも・・ というのが、今回実感したことですが、 本彩色の前に裏に金属箔を押したり、 裏にマチエールを施すのなら、 こだわるべき点でしょう。 このあと裏打ちして軸表装して ようやく掛け軸として完成するわけですが、 ここから先は、表具師さんのお仕事になります。 表具選びは、私も立ち会いますが、 着物の衣装を選ぶような作業は、 今からとても楽しみです。 |
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2021/1/09 拝詞奏上 | ||
数年ぶりの寒波と コロナウイルスの猛威に見舞われた日本の年明け。 初詣の境内で、 神棚拝詞というのをいただきました。 神事のときなどの宮司さんのお詞が、 ふりがな付きで書かれています。 「おうちの神棚で、ご奏上ください」 (唱えるのではなく、奏上というのですね) 帰宅して、早速、パンパンっと手を打ち、 朗読してみたら、 韻をふんだようなリズムが心地よく、 とても気分が清々しい。 この効果はなんだろう。 言霊? 「負い持つ業に励ましめ給ひ・・・」 絵の出来映えに神頼みなんてないけれど 日本画は、偶然によるところが 多々あるので、水にも筆にも墨にも、 八百万の神は宿っているのかもしれません。 今回いただいた拝詞は、 「附 コロナウイルス感染症早期終息祈願」 とのこと。 人との繋がりが生んだ感染拡大は、 自然災害とはいえませんが、 そうであるからこそ、詞にして、 意識を高めることが効果的といえるかもです。 そして、どうか、ウイルスが 人の心までもを蝕みませんように。 |