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2018.06.27 もはやアバンギャルドではない |
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昨日、今日と、急に蒸し暑くなり、いかにも梅雨
室温28℃湿度70%
この数字の組み合わせは、1番失敗しやすい。
気をつけなくては・・・と思っていた矢先に失敗した。
もう~~~
画面を洗ってみると、見事に今日と昨日の作業の部分だけ、
絵の具が定着していなくて、ずるっと剥がれました。
まぁ、下地が悪かったわけではなかったので、ちょっと安心しましたが、
やっぱり、気候のせいか。。
膠が腐りかけていたというのもあるかもしれません。
気をとりなおして、いつもの三千本膠に、
防腐剤のはいった鹿膠を20%混ぜ、描き直すことにしました。
ところで、
流行に大きく遅れて、「騎士団長殺し」を読みました。
作品の感想はここでは述べませんが、
画家である主人公が、日本画の定義と精神性について述べるシーンが
とても印象的でした。
日本画の定義について、
「・・・一般的には、膠と顔料と箔などを主に用いた絵画であると
捉えられています。
つまり日本画というのは、主に使用する画材によって定義される絵画である、
ということになるかもしれません。
もちろん古来の伝統的な技法を継承していることもあげられますが、
アバンギャルドな技法を用いた日本画もたくさんありますし、
色彩も新しい素材を取り入れたものが盛んに使用されています
つまり、その定義はどんどん曖昧になってきているわけです・・・」
まさにその通りだなぁと、
簡潔に、的を射貫いた文章に感心したのですが、
最近、京都、名古屋と日本画画材店を巡り、
昨今の日本画制作事情を聞くと、
そのアバンギャルドの波はあまりに大きく、
古来の伝統的技法の状況は、壊滅的といっていいほどでした。
安価な方解石の粉末にアクリル絵の具を混ぜて、
樹脂系メディウムで接着させ、それを日本画だといっている。
しかも画学生が。
たしかに、そのように描けば、テクスチャーは、日本画のようになるし、
画材代はかからないし、定着しないという失敗もしないし、
乾いたときに色がまったく変わるということもないし、
いいことづくめかもしれない。
しかし、画材面の定義を失い、
精神性だけ残った絵画って、果たして日本画といえるのか??
でも、40年日本画を描き続けてきた私でも、
今日みたいに手痛い失敗をさせられるのだから、
伝統的日本画画材が、愛想をつかされてもしかたないわな、
と、思ってしまいます。
ホント、日本画画材って、つきあいにくくて、高くて、イヤなやつらばっかだ。
あぁ・・それでも、やっぱり離れられないけど。
日本画の精神性については、また後日、書きたいと思っています。
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2018.06.20 甘茶 |
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アマチャの写生 透明水彩
あちこちの庭や軒先で、紫陽花が見頃を迎えています。
山でも、可憐な「ヤマアジサイ」が・・・・・と思っていたのですが、
どうやら、これは「アマチャ」のようです。
普通の紫陽花よりも、ずっと小型で、
そして、葉が細く、葉にツヤがありません。
“どうやら”と書いたのは、
実際、山に入ってみると、あきらかにアマチャであるもの、
また、ヤマアジサイであろうと思われるもの、
また、どちらとも判別のつきにくいもの、さまざまで、
見分けが難しいのです。
アマチャは、4月のお釈迦様の生誕祭の花祭りのときに、
(仏生会とも灌仏会ともいわれます)
白い象にのったお釈迦様の立像に、ひしゃくでかけたり、
また、参拝者にふるまわれたりします。
子どもの頃に、象を引きにいき、甘茶をいただいたときの、
あの不思議な甘さは懐かしい思い出です。
アマチャは、手間暇かけて発酵させると、
砂糖の何百倍もの甘さになるのだとか。
アマチャには、さまざまな薬効成分があり、
また、アマチャで墨をすり、文字をかいて軒下につるし虫除けに、
という風習の地域もあるようです。
しかし、アマチャにそっくりのアジサイには、猛毒があります。
亜種もあるかと思われ、見分けは非常に難しいもの。
素人判断でお茶を作ったりするのは、要注意です。
アマチャ 写生 (透明水彩)
アマチャ 写生 (透明水彩) |
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2018.06.09 ジオな一日 |
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かねてから行きたかった兵庫県豊岡市の玄武洞。
我が家から片道220kmとちょっと遠いのですが、思い切ってでかけました。
火山噴火により流出した玄武岩のマグマがゆっくり冷やされたことでできる
「柱状節理」 が美しく見られる貴重な場所です。
実際に目の前にたってみると、思わず息を飲む圧巻の迫力。
これが自然の造形物なのですから、
本当に驚きです。
大きさがわかるよう、お恥ずかしながら自分が入った写真をアップしてみました。
しかし、
岩までの距離がありますから、写真にすると実際よりも小さく感じられてしまい、
このものすごさを伝えるのはなかなか難しいです。
玄武洞ちかくにある成田山不動尊の敷石です。
加工しなくても、自然の形状のまま使用することができるので、
石積みや石畳など、あちこちに利用されています。
鉄分を多く含むので、漬け物石にも最適らしいのですが、
現在は、保護のため採取禁止に・・
この日は、
ガイドクラブの事務局長の木下さんのご案内で、五洞すべてを巡り、
さらに、実演をともなう火山講習も受けることができました。
木下さんのお話は、本当におもしろくて興味深く、
ご一緒していただけたことは、大変な幸運でした。
そのあと、玄武洞すぐ前の、玄武洞ミュージアムへ。
1階では、玄武洞の成り立ちや、火山のしくみなども学ぶことができ、
2階は、鉱石や化石の展示室となっていました。
どの博物館でも、鉱石コーナーでありがちなのは、
地元や日本産出の石だけでは、展示が充実しないので、
外国産のものも展示せざるを得なく、
その結果、内容がかえって希薄になってしまう・・というもの。
ここも同様なのか・・・と、失礼ながら、大きな期待は抱かないで見てみたら、
見事に裏切られました!
ケース一つ一つを見て、進んでいくごとに、驚きが増していきます。
単に、その種類の鉱石が展示してあるというだけでなく、
鑑賞石としても、最高レベルのものが厳選されているのです。
ここまでクオリティの高い鉱石展示は、
日本で、いや世界でもなかなか類を見ないのではないでしょうか。
本当は、すごい見応えのものが、もっともっとあったのですが、
つい見ることに夢中になってしまい、写真を撮るのを忘れてしまいました。
おそらくそうだろうと、思ったいたら、やはり個人のコレクションとのことでした。
これだけ集めるのには、いったいどれだけの労力が掛けられたことでしょうか。
その情熱に、ただただ感動です。
そして、また、たまたま居合わせたコレクターさんご本人である館長さん自ら、
ご案内してくださいました。
幸運つづきで、まさに至福のひとときでした。
豊岡は、コリヤナギの産地ということで、
杞柳細工のコーナーも。
美しく丈夫な杞柳細工は、行李にバッグにお弁当箱にと、
古くから愛されてきましたが、
やはり他の伝統工芸と同様、存続が危ぶまれているようです。
次回くるときまでに、1つくらいは購入できるようお金をためなくては・・
初めて訪れた豊岡玄武洞。
見応えも見所もあまりに多すぎて、
半日だけでは、とても足りませんでした。
それにしても、、知れば知るほど感じるこのワクワク感。
やはり地球の営みは、おもしろいです。
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2018.05.30 八重桜 |
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八重桜 日本画 M4
今年の春は、たびたび京都に縁があり、
特に京都御所には、2回も訪れる機会がありました
皇室関連を語るとき、思想だのが絡むとややこしくなりますが、
そういうことは考えず、塀の中の広い空間まるごとを、飛び切りの美術工芸品として鑑賞。
すべてにおいて手抜きなく、こだわり抜いた美しい庭、建築。
完璧といえるバランス感覚。
制作における姿勢として、とても勉強になります。
それにしても、
歴史を振り返ると、こうして現代にいたるまで守られてきたのは、
奇跡的と言えるかもしれません。
1回目に訪れたとき、八重桜が満開でした。
他にも、椿、サザンカも。
驚いたのは、ほとんど同じ種類がなく、
それぞれが今まで見たことないような珍しい色かたちをしていたこと。
それがまた、御所の雰囲気にとても良く似合っているのです。
植栽もかなり厳選されているのでしょう。
私は、桜といえば、断然山桜が好きなのですが、
今年は、八重桜の雅な美しさを認識させられた春でした。
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2018.05.16 金色箔の実験 |
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日本画にはよく金属箔が使われます。
江戸時代のように、権力者からの依頼で、
屏風や襖に絵を描くわけではないので、
現代の作家が金箔を使う理由はそれぞれだと思います。
私の場合は、一言でいうなら、
スクリーントーン効果です。
スクリーントーンというのは、
漫画の背景などに使われている網点のシートのことです。
金属箔といっても、金銀だけではなく、
多種ありまして、主なものとしては、
銀色の箔は、銀箔、アルミ箔、チタン箔、プラチナ箔。
金色の箔は、金箔、真鍮箔、親和箔でしょうか。
銀色箔は、それぞれの金属の性質により、
使用感や色がかなりはっきりと違うので、わかりやすいのですが、
金色箔は、まだ、私の中では、研究不足でした。
・・・というか、純金さえ使っておけば、とにかく間違いはない、
と、思い込んでいたところがありました。
今回の実験は、純金箔、真鍮箔、親和箔の3種です。
(親和箔というのは、銀箔に樹脂と染料で着色した箔です。)
画面全体を、墨で濃淡を作って塗ったあと、
左半分には、胡粉と岩胡粉(9番)を混ぜた下地を塗り、
その上に、それぞれ純金箔(上)真鍮箔・赤金(左)親和箔(右)を貼りました。
乾燥後、養生テープを使い、
レース状の模様を作っていきます。
結果、
画像ではわかりにくいのですが、
親和箔は、下地を作っても作らなくても、大きめの模様が簡単に作れました。
使用感は、アルミに似ています。
箔の厚みと柔らかさが同じくらいなのだと思います。
純金と真鍮は、やはり、胡粉下地を作った上に貼ったほうが、
思い通りに模様を作ることができました。
胡粉下地側のアップ画像です。
純金よりも、真鍮、親和のほうが
綺麗なレース模様が作れました。
純金といっても、いろんな種類があるので、
一言ではいえませんが、私のように、
スクリーントーンとして使うのであれば、
そして、箔の上から絵の具を重ねるのであれば、なおさら、
真鍮、親和のほうが、向いているといえるようです。
これは、親和箔のカタログです。
とても色数豊富です。
銀箔ベースといっても、表面を樹脂でコーティングされているので、
酸化による変色もほとんどないとのことでした。
モチーフによっては、違う色も試してみる価値はありそうです。
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2018.05.07 最上のブルー |
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矢車菊写生 透明水彩
矢車菊。
この植物は、矢車草という呼び方のほうがなじみがあるのではないでしょうか。
しかし、ユキノシタ科の山野草の矢車草と混同しやすいので、
最近は、矢車菊の名で統一されているようです。
とても強靱で、他の雑草にも負けずに
アスファルトの間からも花を咲かせます。
素朴で、野草の一種のイメージも強いのですが、
ツタンカーメンの棺にも飾られ、マリーアントワネットにも強く愛されていたようです。
英名で、コーンフラワー。
コーンフラワーブルーというのは、最上級のサファイアの色を表しています。
最上の色彩というのは、単独では存在しないと思っています。
色彩は、常に隣り合う色との配色でいかようにも変化し、
つまり、相対的であり、絶対的ではない。
でも、この矢車菊のブルーだけは、
特別だと感じます。
どんな場所でも、いつ見ても、いつでも最上のブルーなのです。
水彩絵の具ではとても再現できません。
日本画の岩絵の具でもダメでしょう。
でも、このブルーをどうにか画面に再現したいと思っています。
矢車菊 写生 透明水彩
矢車菊 写生 透明水彩
矢車菊 写生 透明水彩
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2018.04.28 茅葺きの家 |
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すぐ近所にある茅葺きの家。
住む人がいなくなってしまったので、解体されることになりました。
屋根の茅が取り除かれると、立派な骨組みが現れ、
大迫力です。
最近は、都会で、古民家の建築材料が人気らしいので、
早速、業者が取りに来ているのかと思っていたら、
作業していたのは、近所のおじいちゃん(失礼)でした。
「業者の人かと思っちゃった~」
と、声をかけたら、
おじいちゃんは、自分の家の屋根の修理の材料が欲しいから取りに来ているのだと。
つまり、パーツ取りです。
昔・・・といっても、ほんの50年くらい前までは、
坂内の人は、
家を建てるのも、水路の工事をするのも、石垣を積むのも、
なんでも自分で、もしくは近所の人たちの力をかりたりして、
とにかく、村の中だけで、地域にある材料を使って、なにもかもやっていました。
だから、今でも、年配の人の中には、
業者の手を借りず、自分で家を建てることができる人がいます。
それにしても、立派な梁です。
おじいちゃんの話によると、この家の材料は、ナラとケヤキとクリの木だとか。
長年の囲炉裏の煤で、真っ黒に燻されています。
この曲がった太い梁は、ナラ。
こういう形に刳りだしたのではなく、曲げたのでもありません。
山の斜面に生えた木は、毎年、根元を雪でおされて育つため、
自然にこのように曲がってしまうのです。
こんな太い木、すごいですねぇ=と、何度もいうと、
おじいちゃんは、
それもたしかにすごいけど、本当になかなかないのは、こっちだよ、
と細くて長い木を指さしました。
これもナラ。
こんなに細くてまっすぐに長い木は、めったにないのだとか。
そうか!山の木を想像しても、たしかにそんな木はなさそうです。
屋根の縦の材料にこの木を使い、
横の材料には、竹を使います。
欲しい材料だけ取ったら、あとはそのまま置いておく。
その後、ほんの数年もしたら朽ちて土に戻るのだそうです。
自然にやさしいというか、効率的というか・・
この家の名は、「ヤナギ」
坂内には、家に名前があります。
それは、その家を建てたご先祖の名前であったり、
職業名だったり、
建っている場所にちなんだものだったり、いろいろです。
家のパーツを取り替えられたり、
屋根を葺き直されたりして、何代にもわたり、
住む人の生活を守ってきた「ヤナギ」の家。
喜びも悲しみも、いつもずっと見てきたことでしょう。
でも、すべての始まりは、一粒の小さな種。
芽吹いたとき、この世はどんなでしたか?
今まで、本当にお疲れ様でした。
思わず目を閉じ、手を合わせていました。
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2018.04.18 個展終了 |
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あべのハルカス近鉄本店 アートギャラリーでの個展が終了しました。
先日も書きましたが、このギャラリーは、とても開放的で、
また、エスカレーターやエレベーターからも近く、
導線の良い場所にあり、とても多くの方に入ってきていただけて、
ありがたいかぎりでした。
お越しくださったみなさま、どうもありがとうございました。
この場を借りて、お礼申し上げます。
さて、
絵を見るのは、大好きだけど、
百貨店の画廊は苦手だとおっしゃる方は、世の中に多いと思います。
まず、値段がついている。
そして、販売員さん(場合によっては作家)が、
ぴったりと張り付き、熱心に説明してくれて、
そして、はっきりいえば、売ろうとしてくる。
マジメで気弱な人は、いたたまれない気持ちになり、
思わず、外にでてしまう。
・・・のではないでしょうか。
大丈夫です!!
絵なんてそうそう売れないのが当たり前!
販売側もよーくわかっています。
「買わないけど見せてください」
と言っても、絶対に!いやな顔はされません。
どんどん話しかけたり、質問したりしても大いにOKです。
欲しいのは、反応や感想ですし、共感であっても、、批判であっても、
それは、特に作家にとっては、まさに宝物のような情報なのです。
今回、
「絵は買えないけど、もし、1枚もらえるんなら、これがいいわ~」
と、いってくださった白髪ショートのオシャレな女性のお客さま」。
「このキラキラ加工は、どうやってやってるんですか?」
と聞いてくださった若い男性のお客さま。
「この紫色は、もう少し濃いほうがいいんじゃないかなぁ~」
といってくださいったバイヤー風のスーツの男性。
貴重なお言葉を、ありがとうございました。
とても、楽しいひとときでした。 |
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2018.04.13 八重桜写生 |
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八重桜写生 透明水彩
山桜やソメイヨシノが散りきるころ、
八重桜のつぼみが膨らんできます。
周りを見ると、シャクナゲ、椿、木蓮、レンギョウ、ニリンソウ、アズマイチゲ、
なにもかも一斉に満開になっていて、目移りしてしまいますが、
今は、八重桜に集中、集中。
一口に八重桜といっても、いろんな種類があるみたいです。
これはなんなんだろう、とちょっと調べかけてみましたが、
その種類のあまりの多さに、びっくり!
調べ物は後回し。
とにかく形が変わらないうちに、描かないと・・・
明日は泊まりがけで個展会場です。
八重桜写生 透明水彩
八重桜写生 透明水彩
八重桜写生 透明水彩
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2018.04.11 あべのハルカス個展 |
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あべのハルカス近鉄本店アートギャラリーでの個展が始まりました。
なんとか時間が作れたので、急遽、会場にいくことができました。
早々に足をお運びくださったみなさま、
本当にどうもありがとうございました。
お会いできてとてもうれしかったです。
百貨店の画廊というと、
ちょっと入りにくい雰囲気のところもありますが、
ハルカスアートギャラリーは、とても明るく開放的です。
お買い物の折りには、是非、
11階のギャラリーにもお立ち寄りいただけますと、
幸いです。
そして、ここで、ちょっとワクワク情報を・・
あべのハルカスといえば、
地上300m、現在日本一の高さを誇るビルなのですが、
その高さを利用して、
360度展望できる、屋上ヘリポート見学ツアー、
そして、「エッジ・ザ・ハルカス」と称し、
ビルの上、最頂端部のガラスの上にに設置された
幅60cm長さ20mのデッキの上を
命綱を装着して歩く、というアトラクション、
などなどがあるようです。
高いところ大好きな方、
これは是非とも、体験しなくては!ですよ。
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2018.04.03 若葉という絵の具 |
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「春の野」 F4 日本画
日本画で使用する岩絵の具は、
人工的に作られた合成絵の具もありますが、
基本的には、名前の通り岩石を粉砕した粒子状のものです。
原料の石の持つ性質・・・例えば、比重とか、結晶の形とか、
が、一つ一つ違うので、
発色の良さとか、乾いたときの不透明感とか、
画面の上での伸び具合など、一色一色、まるで違っていて、
それぞれが個性を持っています。
なので、岩絵の具を使いこなそうと思ったら、
できるだけ多く、
それぞれの色(絵の具)の性格を知っておかなくてはいけません。
それは、まるで人格のようで、
つきあいやすい色、つきあいにくい色があり、
その感じ方は、作家によってまちまちでしょう。
私は、「若葉」という色がどうも苦手。
なかなか思い通りなってくれません。
苦い失敗も数しれず。
そんな若葉に今回はあえて挑み、歩み寄ってみようか・・
という思いで描いてみました。
「春の野」 日本画 部分 |
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2018.03..23 額装 |
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表具師さんから額装ができたとの連絡をいただき、
画像が添付されてきました。
今回の個展の案内状にも使った作品ですが、
日本画の写真はとても難しく、
案内状のは実際よりもかなり鮮やかにでてしまいました。
こちらのほうが実物に近いです。
額といっても、私の場合は極めてシンプルなのですが、
しかし、ここまでシンプルなものは、市販品にはないので、
注文して、作ってもらわなくてはいけません。
木枠の材質、色、幅、厚み、面取りのしかた、
枠の中の一段低くなっている部分は何㎝にするか、
角度はどれくらいつけるのか、
また、マット部分の布は、どの生地で、どんな色に染めるか・・
ゼロから作り出すのは、
とっても労力のいることです。
妥協せず根気よく、
こちらの要望を手探りでくみ取ってくれる表具師さんには、
いつも感謝です。
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2018.03..20 蓮池 |
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水紋の柄の空き額があったので、
これに合う絵を描いてみようと思いました。
蓮池 日本画 M3
これは、空想した世界ではなく、
去年の夏、草津市(滋賀県)の水生植物園にいったときに、
実際に出会った景色でした。
暑さと戦いながら、大急ぎで写生をしました。
写生はしたものの、もうそれから数ヶ月も経過していて、
今は、印象だけが心に残っている状態です。
でも、それくらい離れたほうが、
絵作りの部分が楽しめるかもしれないと、
今回描きながら、思いました。
以前、
作品づくりには“三何”が大切とおそわりました。
なにかというと、
1,何故描くのか?
2,何を描くのか?
3,如何に描くのか?
の3つの何という意味です。
絵というのは、
写生と同じ気持ちで、ただ描くだけではダメで、
絵を作っていかなくてはいけません。
3,は、案外難しく、
深く考えているようで、足りなかったり、
方向性が間違ってしまったりしがちです。
実物が目の前にあったり、写生をした直後だと、
表面的なことにばかりにこだわってしまったりもします。
写生はたしかにとても大事なことに違いないのですが、
絵作りにおいては、時には妨げになることもあるように感じました。
蓮池 日本画 部分
蓮池 日本画 部分
蓮池 日本画 部分
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2018.03..12 個展案内状 |
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来月の個展の案内状ができあがりました。
いよいよ目前に迫ってきて、落ち着きません。
この、毎回毎回の、個展前のざわつく気持ちはなんなのか。
日本画家の堀文子さんの展覧会にいったとき、
作品の横に、こんな言葉が添えられていました。
「絵を描くことは恐怖の連続です。
そして絶えず、ああダメだ無能だ、と思う。
その無念が道標で、
私に絵を続けさせている原動力です。
満足をしたことはない。
ですから、出品のために絵が運ばれていったら、
それが私の葬式で、
それを送った後は、二度と振り返りません」
ああ、まさにそのとおりかもしれない。
と思いました。
“表現する”ということは、
創作と発表とが一つになって成り立つものなのに、
いつまでも発表の部分に慣れないのは、
常に自信がないからなのでしょう。
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2018.03..05 啓蟄 |
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カスミサンショウウオです。
8年くらい前に孵化したばかりの幼生を3匹もらい、
それからずっと飼っています。
(まさかこんなに生きるとは)
部屋の中で飼っているので、
そんなに大きな温度変化はないはずなのですが、
冬になると、冬眠・・・なのかどうか、
眠ってるわけではないけど、ほとんどエサを食べなくなります。
今年も、約2ヶ月間の拒食。
今朝、久しぶりに苔から顔を出して、
好物のミミズを食べました。
「啓蟄だ!」
暦を調べてみたら、
今年の啓蟄は、3月6日とあります。
すごい!ちゃんとその通りなんだ!
暦が正確なのか、サンショウウオが正確なのかは
わかりませんが・・・。
それにしても、こんなに小さな体(全長約8cmくらい)で、
2ヶ月も何も食べなくて、よく生きているものです。
それに比べて、人間ってホント適応能力が低いですねぇ。
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2018.02..21 土屋禮一と日本画家たち展 |
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先日の「花雪洞」の額装の依頼をしにいった帰り、
大垣共立銀行のギャラリーに寄りました。
都市地方とわず、銀行のコレクションというのは、
小品であっても、キラリと光るようなおもしろいものが多く、
今回のもまさにそんなアタリな作品展でした。
土屋禮一さんの作風は、
画面上に大量の水を含ませた絵の具をたっぷりと置くこと。
近くでみたら、絵の具の混濁にしか見えないのに、
少し離れてみると、そのにじみやシミは、
澄み切った空に、みずみずしい花びらに、
鏡面のごとく静かな湖面に、
または、
長年風雨にたえてきた苔むした老木にと変わり、
それらが圧倒的なリアリティをもって見るものの心に響いてくるのです。
こういう塗り方の日本画はどうかすると、
洋画みたいだと眉をしかめられたりするのですが、
でも、土屋禮一さんの作品の場合、
精神はあくまで日本画なのです。
その表現力たるや、ただただ脱帽です。
こんな素敵な作品が入場無料、しかも会期もたっぷり3ヶ月。
また、何回か会いに行こうと思いました。
「土屋禮一と日本画家たち」展
OKBギャラリー
4月8日まで。(休館日なし)
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2018.02.10 花雪洞 |
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「花雪洞」 円形20号 日本画
「花雪洞」、漢字を並べたら、とても美しい言葉になりました。
「雪洞」は「ぼんぼり」と読みます。
「ほんのり」が転化した言葉だそうです。
今までの桜もそうなのですが、この絵は、薄暗い場所で見ると、
花が白く浮かび上がるように描いています。
桜の花でできた雪洞という意味で、この画題をつけました。
4月の個展に向けての最後の作品になると思います。
個展の詳細はトップページでご案内しております。
大阪天王寺方面にお越しの際は、
お立ち寄りくださいますと幸いに存じます。
「花雪洞」 部分 日本画
「花雪洞」 部分 日本画
「花雪洞」 部分 日本画
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2018.02.02 想画会作品展 |
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2月3日、4日の両日、揖斐川町交流センターにて、
日本画サークルの作品展を開催します。
今日は、生徒さんたちといっしょに展示作業をしました。
今年も素敵な作品がたくさんそろいました。
お近くにお住まいの方、是非、お足をお運びくださいませ。
交流センターを会場として活動している他のサークルの発表もあり、
見応え、食べ応えもばっちりです。
場所は変わって、
こちらは帰りに立ち寄ったとってもおしゃれなお花屋さん。
球根植物にスミレ。
春はもうすぐそこです。
水栽培の球根を購入しました。
チューリップの原種だそうです。
どこをとっても、どこから見ても、
すべてが清浄で可憐・・。
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2018.1,17 羽裏 |
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阪神淡路大震災の日。
23年前の今日、大阪に住んでいた私は、
今までに感じたことがない大きな揺れで目が覚めました。
日が経つにつれ、犠牲者の人数は膨らみ、
あまりの被害の大きさに言葉がでませんでした。
親しい人を失った悲しみは
今もなお消えることなく続いていると思います。
ご冥福を心よりお祈りいたします。
震源がわずかにずれていたら、
私の周りの状況も大きく変わっていたことでしょう。
生きるということは、
常に明暗の狭間を歩いているようなものだと感じます。
さて、
今から少し前、友人が、羽織を誂えることにしたといいました。
そして、その羽織の裏、いわゆる羽裏(はうら)に、
絵を描いてくれないか、と。
期限はなし、とのこと。
それは、とってもおもしろそうでしたので、
是非、と答えたのですが、
数日後、急遽、羽織を着る機会ができてしまったので、
大急ぎで作らなくてはいけなくなった、との連絡が。
羽裏制作の話は、あっけなく流れてしまったのでした。
でも、それからも、私の頭の中から、羽裏が離れません。
美しいウグイス色の羽織を拡げると、
そこには一面に舞い散る山桜。
今の絵に向かっていると、羽裏を描いているような気分になり、
冬場の制作も、ちょっと楽しくなってきました。
ちなみにこちらは、河鍋曉斎の羽裏。
展示会場までが凍り付くような恐ろしさ・・
↓
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2018.1,08 背景の模様について |
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「ちひさきもの」 日本画 F3
↑これは以前、描いた絵です。
背景の模様の作り方については、今までも時折ふれてきたのですが
もっと詳細に、という問い合わせが多いので、
具体的に説明したいと思います。
(例なので、図は適当です)
画面は、0号麻紙ボードです。
(ホルベイン優彩麻紙ボールド)
箔押ししない部分を塗り残し、左側に濃淡を作った薄墨、
右側に水干絵の具の白群を塗りました。
箔押ししない部分は、「ちひさきもの」の植物部分にあたります。
箔押ししない部分を、マスキングシートでマスキングします。
カッターナイフで余分な部分をカットします。
マスキングシートの上から、薄めた膠液を塗り
(絵を描くときの濃さの膠1に対して水5)
アルミ箔を押しました。
箔は、画風に合わせて、金箔を使用してもOKです。
よく乾燥させた後、マスキングシートを剥がします。
マスキングシートや養生テープなど、粘着性の弱いテープを
箔の上から張り付けて、剥がして、を繰り返し、
模様を作っていきます。
剥がしが終わりました。
箔のテカリを抑えるために、全体に薄い胡粉を塗ります。
今回は、比べるために、中心部分だけに塗ってみました。
背景の模様付けができあがりました。
胡粉を塗ると、
箔を押した部分が、白く浮き上がったようになります。
画像ではわかりにくいかもしれませんが、
下に塗る墨が薄いと、模様の出方が弱くなり、
墨を濃くすると、模様の出方ははっきりします。
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