ヤブツバキ(藪椿)

ツバキ科 ツバキ属  常緑低木

日本に自生している野生の椿です。
園芸品種は実に多く200を超えるともいわれていますが、
野生種のものは、ヤブツバキ、ユキツバキ、ヤクシマツバキの3種だけです。

ツバキの名の由来はいろいろありますが、葉に艶があることから、
「艶葉木(つやはき)」が転じたものという説が有力です。
日本人に古くから親しまれており、万葉集、古事記、日本書紀にも名前が登場します。
美しい花は、絵画や着物、工芸品などのモチーフとして、実からとれる油は椿油として、
硬い木材は印材、工芸品や細工物の材料として使われ、大変身近な植物となっています。

咲き終わった花が、花ごと落ちることから、武家には忌み嫌われたと言われますが、
江戸時代に忌み花となった記載はなく、幕末~明治時代の流言であったというのが通説のようです。
事実、茶花としても好まれており、江戸城、諸藩大名の屋敷にも多く植えられていました。